事業戦略
ビジネスモデル
当社が目指していること
当社は「情報サービスを通して、世界の豊かな社会生活の実現に貢献する」を企業理念とし、「ITの大衆化」の実現を目指しています。この企業理念を実現するために以下のことを意識しながら、日々活動をしています。
「ITの大衆化」のためには、ITを利用している人たちだけでなく、今までITを利用してこなかった人たちにも利用していただかなければ実現できないミッションです。ミッション達成のため、当社では誰でも利用できるような簡単な操作、必要不可欠なものに絞ったシンプルな機能のサービスを作り、低価格で提供しています。当社のサービスは契約に先立って、30日間無料でサービスをお試しすることができます。この短い期間のうちに、お客様がサービスの機能について習熟し、操作や設定を通じて業務改善を実感していただけるようなものであることを心がけています。
低価格でサービスを提供する企業が高収益を確保するためには、新しいサービスを開発し続けること、多くの契約を獲得することに加えて、コストを低く抑え、企業として常に成長する必要があると考えています。通常、サービスや契約が増加すると、営業やサポートのコストが比例して増えていきますが、それでは低価格のサービスを提供する当社が高収益を確保することは困難です。そのため、当社では効率的に業務を行い、1契約あたりの獲得コストを低くするように取り組んでいます。当社では、見込み顧客に対して営業が訪問し、サービスを提案するようなフィールドセールスは行っていません。また、TVCMをはじめとするマス広告、WEB広告をパーソナライズすることで、当社の製品ページに訪問していただきトライアルしていただくビジネスモデルを採用しており、潜在顧客に対してメールや電話等でのインサイドセールスも行っておりません。このように無駄を省いた業務を行うことで、高収益を確保しています。
変化し続ける環境の中で、効率的な業務を維持し、高収益を確保し続けるためには優秀な人材が欠かせません。優秀な人材に数多くある企業の中から当社を選んでいただくために当社では、一人ひとりに広い裁量権を与え、能力を発揮してもらい、成果に見合った報酬として高い給料を支払うことを意識しています。このような少数精鋭の組織作りを行うことで、効率的な業務による高収益の確保と、優秀な人材の獲得及び高い給料の実現を目指しています。
ソフトウェア業界におけるクラウドサービスの伸長
当社は「ソフトウェア業界」で「クラウドサービス」の開発/提供を行っている会社です。ソフトウェアとはパソコンやスマートフォンなど、ハードウェアと呼ばれるコンピューターを動かすためのモノです。パソコンやスマートフォンを動かし、便利に活用するためにはOSと呼ばれる基本のソフトウェアと、特定の作業を行うために使用されるアプリケーションと呼ばれるソフトウェアがあります。当社では、アプリケーションと呼ばれるソフトウェアを開発しています。
利用者側が、サーバーやパソコンといったハードウェアを購入し、ソフトウェアをそれらにインストールして、データ等を含めて自社で運用、管理を行うことを「オンプレミス」といいます。このタイプのサービスは利用者側で運用を行うため、カスタマイズの自由度が高いのが特徴です。一方、当社が開発/提供している「クラウドサービス」は、利用者側がパソコンやインターネットといった最低限度の環境を用意すれば利用することができます。オンプレミスと比べてカスタマイズは制限されますが、クラウド化されたソフトウェアをダウンロードさえすれば、利用者側はハードウェアやソフトウェアなどの運用、管理をすることなく、場所や時間帯に左右されずにソフトウェアを利用することが可能になります。
下記の統計資料では「オンプレミス」をパッケージ、「クラウドサービス」をSaaSと分類しており、どちらのサービスも市場規模が拡大傾向にありますが、オンプレミスと比べて利用者側の管理コストが低いSaaSの規模の方が今後大きく成長すると予測されています。
株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」より作成
サブスクリプションモデルとストックビジネス
当社の収入源は、サービスの利用に伴い毎月発生する利用料と、サービス導入時等における一時的な手数料、大きく分けてこの二種類がありますが、当社の収入の99%以上が前者の毎月発生する利用料になります。当社のサービスは月額または年額のどちらかの契約になりますが、利用料は使用量などによって変動はせず、毎月定額となります。毎月定額の利用料が収入になるため、季節要因等による収入の増減はあまりなく、新規ユーザーの獲得、既存顧客のアップセルやクロスセル(※)、既存顧客の解約を少なくすることで、売上高の安定した成長を実現することができます。
当社サービスのように、利用者がサービスを購入するのではなく、利用規約に同意し、サービスを一定期間利用できる権利を付与するモデルはサブスクリプションモデルと呼ばれています。また、毎月の利用料金が積み上がっていくビジネスモデルはストックビジネスと呼ばれています。
アップセル:ユーザーが当初利用していたグレードよりも上位のグレードに切り替えること。
クロスセル:ユーザーが当初利用しているサービスに加えて、別のサービスも合わせて契約すること。
逆に、飲食店や百貨店のようにモノが売れたタイミングでその都度売上が計上されるようなビジネスモデルはフロービジネスと呼ばれています。
売上高の推移のイメージ
当社サービスについて
1.「安否確認サービス2」について
当社が提供する「安否確認サービス2」は日本国内で事業を展開する企業に向けて開発された安否確認システムです。国内の災害に連動して自動で安否確認の通知が携帯電話やスマートフォン、パソコンに通知され、被害状況の正確な把握、社員やその家族の安否確認、サプライヤーとの連絡手段などとして利用することができます。簡単な操作、シンプルな機能に加えて、当社では以下の点で差別化をはかっています。
海外のサーバーをメインで利用することで日本国内での災害に強い仕組み
負荷に応じて自動的にクラウドサーバーの台数を増減することで可用性と低価格を実現
毎年全国同時一斉訓練を実施し、災害時のようなアクセス負荷でも稼働することを確認
用途に応じたコミュニケーション機能で、オープン・クローズドなやり取りが可能
また、他社の人事労務システムとの連携も強化しており、サイボウズ株式会社が提供するcybozu.com、株式会社SmartHRが提供するSmartHR、freee株式会社が提供するfreee人事労務、マネーフォワードi株式会社が提供するマネーフォワードIT管理クラウドと連携しています。
当社の「安否確認サービス2」の詳細についてはサービスページをご確認ください。
2.「kintone連携サービス」について
当社のkintone連携サービスは、サイボウズ株式会社が提供しているクラウドサービス「kintone」と連携することで、より便利にkintoneを利用するためのクラウドサービスです。kintoneとは、プログラミングスキルがなくてもアプリと呼ばれる業務システムを開発し、業務改善をすることができるサービスです。
kintone連携サービスは、外部とも連携した帳票の作成やWebフォームの作成など、用途に応じた6つのサービスを提供しています。
Webフォーム
外部公開
メール送付
帳票作成
データ集計
バックアップ
1つのサービスの導入でもkintoneを便利に利用することができますが、複数のサービスを導入することでkintoneをノーコード、ローコードでWebシステムのように利用できるようになります。各サービスの機能のバージョンアップに加えて、複数サービスの連携機能も強化しています。
当社の「kintone連携サービス」の詳細についてはサービスページをご確認ください。
3.「トヨクモ スケジューラー」について
スケジューラーは個人のスケジュール管理から始まり、部署や全社のスケジュール管理を行うグループスケジューラーを経て、社内施設の予約やToDoリストの管理なども可能なグループウェアへと進化してきました。当社がリリースした「トヨクモスケジューラー」は、そういったグループウェアの機能に加えて、社外の方との予定調整もできる新たなコンセプトのスケジューラーです。
当社の「トヨクモ スケジューラー」の詳細についてはサービスページをご確認ください。
KPI(重視している指標)
月次売上
当社の成長は、月次売上の推移を確認していただくことで実感していただけると考えています。当社はストックビジネス、サブスクリプションモデルのため、新規ユーザーの獲得、既存顧客のアップセルやクロスセル、既存顧客の解約を少なくすることで、売上の安定した成長が実現できるためです。当社の月次売上の推移は月次速報から確認できます。
MRR、ARR
MRRはMonthly Recurring Revenueの略称で、日本語では月次経常収益と訳されます。MRRは毎月継続して生じる収益を表す指標であり、初期設定費用のような単発的に発生するものや使用量によって変動する料金は算定から外れます。当社の収益は、サービスの利用に伴い毎月発生する利用料と、サービス導入時等における一時的な手数料、大きく分けてこの二種類があります。月次売上では利用料と手数料を合算した金額ですが、MRRは前者の利用料のみを集計した金額です。ARRはAnnual Recurring Reenueの略称で、日本語では年間経常収益と訳され、MRRを12倍することでARRを算出することができます。
チャーンレート(解約率)
月次売上でも記載したように、売上の成長のためには新規ユーザーの獲得、既存顧客のアップセルやクロスセルと合わせて、既存顧客の解約を少なくすることが重要です。当社ではお客様に長くご利用いただくために、電話やメールでの問い合わせへの対応に加えて、サービスのバージョンアップ、スタートアップガイドやヘルプページを充実させています。チャーンレートの算出ですが、当社が現在開示しているものは12か月間の契約金額と解約金額の平均から算出しています。詳細は決算説明資料に記載していますので、IR ライブラリーからご確認ください。
有償契約数
月次売上の増加への貢献は新規ユーザーの獲得と既存顧客のクロスセルによるところが大きいため、有償契約数の増加が重要と考えています。そのため、弊社では、決算説明資料に安否確認サービス、kintone連携サービス(トヨクモスケジューラー含)の契約数の推移を開示しています。また、事業年度末時点での契約数と平均単価を業績ハイライトに参考値として開示しています。
稼ぐ力(広告宣伝費+営業利益)
当社では、広告宣伝費と営業利益を足したものを「稼ぐ力」としています。当社では広告を中長期的なブランディング戦略の一環として継続的に投資していく考えです。その一方で、企業として利益を出してそれを株主の方々へ還元することや財務の健全性のために内部留保を確保することも重要だと考えています。現状、広告への投資額は営業利益とのバランスをみながら規模を決めています。これらの背景から、広告宣伝費と営業利益を合算した金額を稼ぐ力として開示しています。詳細は決算説明資料に記載しておりますので、IR ライブラリーからご確認ください。
LTV
LTVはLife Time Valueの略称で、日本語では顧客生涯価値と訳されます。LTVとは、一度契約を開始した顧客が契約を終了するまでの期間にどれだけ会社に収益をもたらしてくれるかを表す指標になります。当社の場合、顧客は契約を開始すると、毎月定額の利用料金を解約するまで支払い続けます。そのため、契約開始から解約までの期間が長ければ長いほど、顧客が当社に支払う金額(=当社にとっての収益)は大きくなります。言い換えると、チャーンレート(解約率)が低ければ低いほど、1契約あたりのLTVが大きくなります。当社ではLTVを、MRRを年間平均チャーンレートで割ることで算出しています。売上の増加とチャーンレートの低減によってLTVは大きくなるため、月次売上、チャーンレートと同様、LTVを重要な指標としています。詳細は決算説明資料に記載していますので、IR ライブラリーからご確認ください。